深田 上 免田 岡原 須恵

ヨケマン談義11.昔懐かしふるさとの味

11-4.まぜご飯:「酢サバ入り混ぜご飯」

 このまぜご飯は、筆者の郷里、熊本県球磨郡の旧岡原村にいたころ、母が良く作って食べさせてくれた昔懐かしい食べ物である。今でも、このまぜご飯を作っているかと聞いてみたら、聞いたことも、食べたことないとのことで、今日では絶えてしまった食べ物の一つかも知れない。筆者は、結婚して約53年になるが、この間、年に数回は、このまぜご飯を作ってもらっている。母が元気なころ、妻に作り方を伝授していたからである。実家では絶えてしまった食べ物が、異郷の地で今も引き継がれている好例なので、どんなものなのかを図1を利用して紹介する。

「酢サバ入り混ぜご飯」の作り方

 よくあるレシピ「塩サバまぜご飯」と間違われないように、もう一度、その名前を書くと「酢サバ入り混ぜご飯」である。このまぜご飯は、一口で言えば、酢サバを1センチ位のサイコロ状に切り、蒲鉾や椎茸などの具材と一緒に酢ご飯に混ぜたものである。

酢鯖 具材 まぜご飯
市販の酢鯖 蒲鉾・椎茸・鶏肉・酢鯖 まぜご飯
図1.酢鯖入りまぜご飯

【 具材 】
 ・酢鯖(すさば):主役の酢鯖は市販品で、半身を1センチ角位のサイコロ状に切っておく。
  半身の酢サバで3人分ができる。
 ・椎茸は干し椎茸を使い、水に浸してもどして置き、戻ったら水分を絞り、1センチ大に切っ
  ておく。浸し汁は具を煮込むときに使うので捨てない。
 ・鶏肉は脂身の部分は除き、やはり1センチ大に切っておく。
 ・蒲鉾は板から剥ぎ取り1センチ角位に切っておく。

【 作り方 】
 1)ゴボウやニンジンは「ささがき」し、ゴボウはあく抜きをしておく。「ささがき」とは、
   軸方向に切れ目をつけ、鉛筆削りのように回しながら削る方法。
 2)具材の味付けと煮込み:椎茸の浸し汁をベースに、椎茸、鶏肉、蒲鉾を入れ、好みの味
   付けで煮込む。辛味や甘味は好み!
   ・具材の煮込み味付けが終わったら、鍋からすくい取り煮汁を切っておく。
 3)熱いご飯を寿司桶(ボールなど)に取り、具材と酢サバを入れ混ぜ合わせ、味見をしな
   がら好みの酢加減になるよう食酢(かんたん酢など)を入れて混ぜ合わせれば、
   「酢サバ入り混ぜ飯」の完成である。
 4)好みによるが、筆者は山椒の粉を振りかける。これがまた格別である。


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